補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
ユニデントについて PSD 著書紹介 セミナー 執筆記事 気になるニュース テクノバリュー トピック ホーム
笑う、叫ぶ、考える 川島哲

●間違いだらけの歯科技工教育制度

1973年といえば、今から33年前である。この年、林都志夫先生(東京医科歯科大学教授・当時)はある座談会で「歯科技工教育には4年が必要だということかもしれない」と述べていた。 さらに続けて、「スペシャリストになるなら、2年や4年じゃ足りないんで、これは一生かかってやるんだということですね」とも話していた。
この発言から33年後の今日、林教授が授業をした東京医科歯科大学に4年制の歯科技工大学はいまだに設立されていない。 現状、日本唯一の歯科技工大学は2005年に新設された広島大学歯学部口腔保健学科のみである。林教授の将来展望はここにきて他大学でようやく実を結びつつあるが、 氏の発言以後33年間で実際はこの程度でしかないのだ。

私は歯科技工教育について、単に年限を延長すればよいとは思わない。「歯科医師が6年だから、歯科技工士にも大学化は必要だろう」といった安直な考えは捨てた方がよい。 今日、大学はポピュラーなものとなっており、行こうとすればだれでも行くことができる。歯科医師とて歯科大学を卒業しても即開業できる技量になるわけではないし、 それは歯科技工士も同様である。患者さんが納得でさる補綴物の製作には見習い期間が必要だ。 そもそも歯科技工は当初、歯科医師によって徒弟的に教えられた歴史がある。その歴史から学ぶとすれば、今日では経験豊かな先輩歯科技工士の身近で、 歯科技工士の「卵」たちが学ぶ「新」徒弟制度が望ましい。ドイツのマイスター制度を手本にするわけではないが、「もの作り」を伝授する職業訓練学枚には実際の職場(臨床)との接点が重要である。 歯科技工所や院内技工室との徒弟的な交流が行われ、学内と並存できる制度的な臨床実技交流が長期にわたって用意されることが望まれる。

より分かりやすく述べるなら、歯科技工学校に通学しつつ、時には歯科技工所へ修行に行くこともできる新職業訓練制度を希求する。 われわれの歯科技工「学」は、その職業的本質(手技的技法)という物差しではかるべきで、けっして学歴コンプレックスによる「大学化」に走るべきではないと「考える」。
スペシャリストの輩出は、手法さえ整備すればそう難しくないはずだ。 ただし、気をつけよう。汚らしい歯科技工所に新米はまったく来てくれないのは確かだし、ギャルならなおさらアウトだ!!

●新聞クイント 2006年12月10日号

Copyright UNIDENT Co.,Ltd. All rightss reserved