補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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Vol.31
発行人:尾形 和哉
事務局:安田 栄年
編集人:杉本 雄二
新年のご挨拶 キャストパーシャルデンチャーの構造設計と口腔内の調和 年男、今年の抱負を語る CPI学術大会IN金沢
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CPI学術大会 IN 金沢

会員 八巻 賢一

加賀百万石の領土を一代で築きあげた藩祖・前田利家。今から400年以上前の戦国時代にこの利家が存在しなければ現在の金沢の姿も大きく変わっていたはず。利家が起こした城下町の伝統文化や生活様式は、この金沢に大きな影響を与えている。街を歩けば、武家屋敷跡や用水路をみることができ、ふとたち止まると、かの時代に端を発した郷土料理や工芸品を数多く堪能することが出来る。特に金沢を代表する工芸品は、金沢箔・加賀友禅・水引細工等々数えだしたらきりがないほどである。そのような歴史深く、伝統工芸を大切に守り続ける町、金沢にて平成19年度のCPI学術セミナーが行われた。今回の学術セミナーは、北陸に拠点を置くスタディーグループCCCSとジョイントという形式で開催された、ここでCCCSを紹介すると北陸地方を活動を中心として、歯科医師を始め歯科衛生士・歯科技工士達が、患者さんを中心により良い歯科治療をするために、どのようなチームプレーとモチベーションをもって取り組むべきかを話し合い、向上するために発足された会である。毎年夏には、サマーセミナーという形で学術大会をおこなっており、今回のセミナーも、CCCSから歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士と多くのメンバーが参加され盛大に講演が行われた。
 まず、午前中の講演としては、大阪SJCD副会長の松川敏久氏とCPI会員の奥森 健史氏による講演が行われた。松川氏は、近年急速に普及してきたインプラント治療も含め補綴治療には、歯科技工士とのチームプレイが必要不可欠と話され、患者が治療終了後、万が一補綴物が破損した場合も想定しても、不自由なく生活出来るように、歯科技工士と相談しながら治療計画を立案する必要性について講演された。引き続き、奥森氏は、インプラント治療における多数歯欠損症例の上部構造デザインについてふれ、欠損が多いインプラント症例において、デンチャーワークと同じく広い範囲で骨吸収を伴っている場合が多く、リップサポートに有効なオーバーデンチャータイプでの修復でもインプラントをアンカーとする咬合力には、耐え切れないケースも多い。そのため、モデファイトされた構造設計が必要と話され、多数歯欠損のインプラント補綴をデンチャーリストの立場からデザインしたケースについて紹介された。二人の流れるような講演を拝聴していると、歯科医師・歯科技工士がお互いにプロとして意見を活発に交換し、歯科治療に生かすことの重要性を感じる講演であった。
 昼休みをはさみ、午後からは、CCCSのメンバー歯科医師4名・歯科技工士1名・歯科衛生士1名から、CCCSサマーミーティングのメインテーマである歯周組織について、補綴から歯周に及ぼす歯牙形態や骨の形態を様々な角度から分析検討した結果の報告が行われた。我々歯科技工士の立場からみると補綴物と歯周組織の関連は、昨今、インプラントを含めた歯科治療には、非常に重要であり、硬い石膏模型からの情報収集はもとより、歯科医師・歯科衛生士・そして、患者からの情報を元に補綴デザインをする必要性を実感した。特に中山氏の講演でまとめに出てきた、一人の野球少年の話(現メジャーリーガーイチロー)には、とても感動を覚えた。それぞれが、自分を信じ、自分の目標とした道へ、地味でありながら確実に突き進むことの大切さを中山氏の講演から感じとることができた。
 CPIの学術大会は、毎年各地で開催されるが、地元の優秀な歯科関係者やCPIメンバー達と1年に一度交流を持てる貴重な機会である。今回のジョイントを行ったCCCSも、多くの優秀な歯科スタッフ達が集まり、今なお古き良い伝統工芸と呼ばれる様々な技術を維持している北陸地方に拠点をおいて活動し、いかに患者により良い生活をおくってもらえるかをそれずれの職域から真剣に受け止め、技術向上を目指している会であり、このような会に所属している方々との出会いは、とても貴重な経験となった。
 私自身、毎年学術大会への参加を心待ちにしている一人であるが、とかく講演会参加後、数日間は意識が高く仕事に取り組んでいても、時間が経つにつれて目標達成のために努力することを後回しにしてしまいがちである。そういう意味でも次回開催の学術大会を目標とし、情報交換や親睦を深めることにより、それぞれが成長する会であって欲しいと感じた。
 私と地元仙台から同行した、CPIやCCCSのメンバー達と別れの挨拶もそこそこ、熱気あふれる講演会会場を後に小松空港へ向かった。移動途中に台風接近に伴い、仙台便だけが欠航となってしまった。前日の親睦会で繰り出した金沢の街ともしばらくお別れとあきらめていた二人にとっては、天の恵みとして神様に感謝し、金沢の街へ消えていったのは言うまでもなかった。



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